小学校で絵の具と絵筆で水彩画を描いた記憶はまだ残っていますか?
あの時使った筆のような、極限までシンプルなかたちの万年筆があります。
それが今回紹介する Ferris Wheel Press 「The Brush Fountain Pen」です。
以前から気になっていた万年筆のひとつでしたが、昨年の初め頃にめでたくお迎えしましたので紹介しようと思います!
(購入後すぐに記事を書き始めたのに公開までにほぼ1年経っていました…時の流れこわ…)
Ferris Wheel Press とは
カナダの文具メーカーで「フェリスホイールプレス」と読みます。Ferris Wheelは英語で「観覧車」のことです。「観覧車出版」みたいな名前ってことかな?
ロゴや商品デザイン、パッケージデザインはアンティーク調で統一されていて素敵です。商品やインスタなどの展開もおとぎ話のような雰囲気になっています。
Instagram (@ferriswheelpress):https://www.instagram.com/ferriswheelpress/
パッケージのクラシカルで緻密なイラストも文具好きにとってとても魅力的です。
Ferris Wheel Press の商品は今回の購入が初めてでしたが、世界観を楽しめる点が体験として良かったです。
ネットで購入したのですが、メーカー直販ショップから個人輸入(直接購入)ができないのが少し残念でした。少なくとも購入時点(2022年初頭)ではメーカー直販ショップから日本への配送がありませんでした。
そのうえ Ferris Wheel Press の商品を購入できる国内のオンラインショップも少ない印象でした。(でもそれが購入意欲を掻き立てる…!笑)
「The Brush Fountain Pen」 パッケージ
セリフ体や筆記体のクラシカルな書体、アンティークを感じさせる装飾。わくわく(ぞくぞく)しますね。
Ferris Wheel Pressの魅力的なデザインはパッケージにも反映されています。観覧車など遊園地を連想させるモチーフのイラストが描かれています。
スライド式の箱になっています。箱の作りもしっかりしていて高級感があります。
ペン本体はスエード生地のスリーブに包まれて傷から守られていました。カナダのメープルのワンポイントがおしゃれ。
外箱、内箱、スリーブの三層構造の中に万年筆が入っています。
デザインもいいし箔押しも綺麗でもうこの時点で買ってよかったと思いました…!
書くことに焦点を絞りきった「筆」
「The Brush Fountain Pen」はつまり「ザ・筆 万年筆」ということです。万年筆だけど、筆。
筆というのは木や樹脂の柄の先に毛でできた穂先がついている、昔々から使われているとてもシンプルな道具です。
対して万年筆は天冠やクリップ、キャップリングなど装飾にも重点をおいたアクセサリー的要素も含む筆記具です。
そんな二つの筆記具を融合させたのが「The Brush Fountain Pen」(と私は思っています。)
筆のようなシンプルなデザインには天冠もクリップもありません。なんならロゴやブランド名の刻印もありません。一本の棒です。※存在感抜群のキャップリングだけがある。
しかし、シンプルなだけではないのがこのペンの面白いところ。詳しく見ていきましょう!
軽すぎないコクのあるイエロー
今回私が購入したのは「サンセットイエロー」という黄色い軸です。実物を確認できない状況からの注文だったので、届くまでどんな色味かとても心配でしたが杞憂に終わりました。少し赤み寄りの最高の黄色です。
真鍮のゴールドとの相性もいい!
ネットの写真は撮影状況がみんな違うのでどれが本来の色か分からなくてツラいですよね…特に黄色系は分かりにくい。
私の持っている黄色系のペンと並べたので、色味が気になっている方は参考にしてください!
※写真に写っているLucinaとECOは下記の記事で紹介しています。
真鍮の無骨さとすらりとした軸
「The Brush Fountain Pen」は万年筆としては細身です。よくあるボールペンなどに比べると少しだけ太いような印象。そして長さ(ペン先収納時)が142mmなのですらっとしています。造形も滑らかな流線形なのでやわらかい印象。
そこへ真鍮の無骨な雰囲気が組み合わさって絶妙な存在感のペンになっています。
六角ナットのようなキャップリング
このペンの第一印象といえば私はこのキャップリングを挙げます。初めて見た時「ペンにナットがくっついてる」と思いました。ナットというのはねじねじのボルトを留める時に使うリング状の道具です。
実物を見た今もこれは絶対に六角ナットだと思います。真鍮製の。
でもこの無骨さがこのペンをより魅力的にしています。これがツルツルのなめらか形状だった場合、ここまで欲しいと思わなかったでしょう。作った人すごい。
キャップ先端の丸みも絶妙なんです。長さに対してちょうどいいアール。
難しいことは分かりませんが、とても心地良いかたちをしています。
タイプライターを刻印した首軸
キャップを開けるとタイプライターをデザインした刻印が現れます。文具好きにとってタイプライターは憧れです。(ですよね?)
それが真鍮に刻まれているのであればそれもはもう最高です。
割と深めの刻印なところもお気に入りです。インクに浸して溝をインクで染めてみたい気もしています。
まだ真鍮の色を楽しもうと思いますが、いつかやりたい。
刻印のエッジがそこそこ強いので、使用感として問題のあるレベルではありませんが指の表面にグリップが噛む感覚があります。
首軸を回すと胴部分からはずれます。ネジ部分も真鍮っぽいです。
コンバーターはLAMYのものに似た形をしています。
シンプルなスチールニブ
ニブはスチールで、しっかりとした硬さがあります。ハート穴の無いタイプなのでニブがしなる感じはあまりなく、コツコツした描き心地。
ブランド名「Ferris Wheel Press」が刻印されています。首軸よりは浅い刻印ですが、楓の葉っぱがかわいいです。
本当はMニブが欲しかったのですが、国内で手に入りそうなのはFのみでした。とはいえ海外のメーカーなので、やはり国産万年筆のFよりは太いと思います。
また、真鍮(や、おそらく銅)が素材に使われているのでそれなりにしっかりした重みもあります。
ペン芯はこんな感じ。
セーラーの蒼墨(顔料インク)を入れて半年以上使っていますが詰まることなく使えています。※自己責任!
少し気になったところ
かなり気に入ってしばらくメインで使い続けていますが、気になることが一つだけありました。
キャップを胴軸の後ろにさした時のホールドが若干弱いことです。軽くはめただけだと手が当たった時などに緩んだり取れたりします。
なので少し強めにはめないといけません。そうするとキャップと噛み合う部分にうっすらと跡(傷)が付いてしますのです。
使っていく中での小傷は思い出なのでそこまで気にしていませんが、これから買う方の参考に…!
インクもかわいい
最後にFerris Wheel Press のインクも見てください!
「香水瓶のよう」と人気のインクです。カラー展開も豊富で、ラメ入りのインクもいろいろあります。
写真は38mlの大瓶の方ですが、20mlの小瓶もまん丸でかわいいです。
まとめ Ferris Wheel Press 「The Brush Fountain Pen」
- 世界観に浸れるブランド
- シンプルだけど洗練された形状美
- 長く使いたくなる素材とデザイン
Ferris Wheel Press:https://ferriswheelpress.com